アメリカのカリフォルニア州で、動物保護団体「Pinky Paws ResQ」に保護された1匹の野良犬でしたが、それまでろくにエサを食べることができなかったのにも関わらず、何度も脱走を企てていたそうです。
食べるのに困らない快適な施設にも関わらず、2度もフェンスを越えて脱走するこの犬を不思議に感じたスタッフは、リードを付け自由に歩かせることにします。
最初はまったく動こうとしませんでしたが、スタッフのある問いかけに対して反応し、「こっとだよ」と言わんばかりに歩き始めました。
すると古い納屋の中へと、後ろに付いてきているスタッフを時折確認をしながら入っていくのですが、そこは誰にも使われず廃墟と化した状態だったのです。
しかしながら、この犬はこの場で歩くのを止めると、再びスタッフの顔を見て何か言いたげな様子。
静けさが漂う中で、スタッフの1人がある異変に気がつきます。
それは一体?
耳を澄ましてみると、微かに聞こえる小さな鳴き声に、スタッフはこの犬が脱走し続けようとする理由のすべてを悟りました。
納屋の奥にある穴を覗いてみると、薄暗い床下にはたくさんの子犬が発見されたのです。
その数はなんと10匹で、野良犬はこの子たちに母乳を飲ませるために何度も脱走を企てていたというのですが、「Pinky Paws ResQ」によって保護されました。
そして、現在では続々と子犬たちの里親が決定しているそうで、たくましい母ちゃん犬とは離れ離れとなってしまいますが、母の背中を見た子犬たちは立派に成長していくことでしょう。