日本では墓石といえば、今は縦長の長方形のものか、少し横長の高さが低めのものが多いですよね。
縦長のものが和型墓石といい、一番ポピュラーで日本の伝統的なものだと言われています。最近では目にすることが多くなってきたのは横長の洋型墓石で、こちらは昨今非常に人気のある形だそうです。
さらに、自由にデザインできるデザイン墓石というものがあります。日本ではそこまでポピュラーでないですし、不謹慎と思う方もいるかもしれませんが、欧米の墓地に行くと、墓というよりアートのようなデザイン墓石をちらほら目にします。
アメリカのユタ州にあるソルトレイクシティ墓地。そこに、ある父親がデザインした1つの墓碑がありました。墓に刻まれている名前は、Matthew Stanford Robison(マシュー・スタンフォード・ロビンソン)。
マシューさんは1988年に生まれ、10歳という幼さで亡くなった男の子です。
彼は生まれた時の酸素欠乏により、多くの障害を抱えていました。
盲目で、体のほとんどが麻痺していて、言葉もほとんど喋れなかったそうです。
出生時、彼の寿命は数時間と予想されたといいます。しかし彼はその忍耐力や強さと神様の力によって、10年半の人生を家族や友人に囲まれて過ごすことができました。
そして、マシューの父親が、愛する息子の為に、ある美しい墓碑をデザインしました。
それがこちら。
車椅子から飛び上がり、天に向かって手を伸ばす少年。
もちろん少年はマシュー。
目が見えず、全身麻痺でほとんど動けず、その人生のほとんどを椅子の上で過ごしました。
彼は今、この世の負担から解き放たれたのだと伝えられています。
車椅子から解放され、大きく飛び上がって手を伸ばしてほしいという父親の願いが込められているのがよく分かりますね。
この墓碑は数年前にも海外メディアに取り上げられていましたが、今回海外掲示板Redditに写真が公開されたことから話題になり、非常にたくさんのコメントが寄せられていました。
・私には想像できない。健康に生まれてくることは本当に恵まれているんだな。それを当然と思っていることに気づいたよ
・これは最近見た中で一番悲しく、心打たれたものだ。父親として心が押しつぶされた
・父親が息子を亡くしたことは悲しいけど、彼がこんなふうに嬉しそうな息子の墓碑を建てたことが泣ける
健康であることがどれだけ幸せなことかを考えさせられたというものや、同じ父親の立場から心が痛いという意見、他にも自分も怪我や事故で車椅子だという人の意見が多かったようです。
数時間の命だと言われたところを10年半も頑張った少年と、息子を愛した父親や家族の愛と絆。
本当に心打たれます。
健康に生まれるとそれが当たり前のように思ってしまいますが、当たり前だと思っていることほど本当はとても恵まれていて、幸せなことなんですね。当たり前のことを当たり前と思わず、大切にしていきたいものです!