「令和の政治」占う大阪補欠選挙 消費増税“腰砕け”シナリオ…停滞する改憲論議にも影響

大阪ダブル選挙は大阪維新の会の圧勝だったが、次は参院選の前哨戦ともいわれる衆院大阪12区補欠選挙(大阪府寝屋川市、大東市、四條畷市)がある。

候補者は、無所属前職の宮本岳志氏(59)=共産、自由推薦、維新の新人、藤田文武氏(38)、無所属元職の樽床伸二氏(59)、自民新人の北川晋平氏(32)=公明推薦の4氏。

国政選挙であるため、目先は消費増税、その先には憲法改正に大きく影響する。

死去した北川知克・元環境相の「弔い合戦」なので、おいの北川氏有利のはずだが、ある世論調査ではそうなっていない。大阪ダブル選での維新の勢いを反映しているのだが、消費増税の影響もあるかもしれない。

政権与党の自民、公明は、今年10月から消費増税を予定しているので、消費増税賛成にならざるを得ない。しかし、維新は、国政では今年度予算に反対している。それは消費増税に反対だからだ。大阪12区衆院補選で維新が勝つと、自民は7月参院選を控えて消費増税では選挙を戦えないという声が高まり、腰砕けになるような感じがする。となると、安倍晋三政権は、消費増税を引っ込める可能性が出てくる。

安倍政権では、これまで消費増税を2回スキップしている。最初は2014年12月の衆院解散・総選挙において、15年10月から予定されていた消費増税。2度目は16年5月の伊勢志摩サミットにおいて17年4月から予定されていた消費増税。過去2回のケースはともに、予算成立の前であった。

今回は、予算成立後であるが、これまで本コラムに書いたように、「大義名分」があり補正予算を出せば、消費増税を吹っ飛ばせる。

なお、一部から、消費増税をスキップするために、7月21日に衆参ダブル選挙があるという声もある。筆者も衆参のダブル選挙の可能性を指摘しているが、期日は7月21日より前になる可能性もあるだろう。

いずれにしても、5月20日の今年1~3月期国内総生産(GDP)速報値はマイナスが見えており、場合によっては18年度のGDPもマイナスかもしれない。さらに国際通貨基金(IMF)は9日、世界経済見通しで今年の世界全体の成長率を前年比3・3%と予測し、1月の時点から0・2ポイント下方修正した。消費増税見送りの客観条件はそろいつつある。

憲法改正への影響も大きい。自民と連立パートナーを組む公明は改憲にあまり積極的でなく、実際に国会の憲法審査会の議論は停滞している。

実は、維新の憲法改正案は、大阪都構想の次の段階にある「道州制」と大きく関係している。

今のところ、維新は憲法改正について、(1)教育無償化(2)統治機構改革(3)憲法裁判所の設置という3点に絞っている。ここで、(2)の一環として本格的な道州制導入が入っている。

いずれにしても、新しい「令和」の時代に、消費増税なしで憲法改正のスタートとなるかどうか、大阪補選は注目である。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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